2021年度のアートラリー
今までのアートラリーは、大枠ではペア(2者間)でのやりとりでした。しかし、今年度のアートラリーはトリオ(3者間)でおこなっていきます。そして、たんぽぽの家以外の福祉施設と、昨年度の公募で参加してくださった方々と、小学生の方々という、新たな広がりをもった人々に参加していただけることになりました。2→3へと広がったオープンキッチンが、どのように発展をしていったかをご覧ください。
2021年度の相関図
2021年度参加者紹介
-
鮎川 奈央子
自らの体験のなかで面白かったり、なんか気になったり、グッときたタイミング、その状況、存在をモチーフにし、それらを記憶から形に変換することを表現としている。
2020年 「OBJECT」
(京都/ANTEROOM KYOTO)2020年 「ななラボ 七輪陶芸研究所」
(京都/VOU 屋上)2020年 「渋谷パルコ陶器売り場」
(東京/OIL by 美術手帖) -
植田 梨沙子
1994年奈良県生まれ。2020年京都市立芸術大学修士課程染織専攻卒業後、兵庫県西脇市の播州織産元商社勤務。
-
永
京都市在住。小学3年生。
-
長田 恵
1987年生まれ 奈良県在住。2006年よりたんぽぽの家で活動を始める。ほんわかとした雰囲気のなかに、情熱的なひたむきさをあわせもつ。数年かけて描かれる、とてつもない時を刻んだ作品には、花や木々など生き生きと芽吹いた植物が登場する。一筆一筆大切に進んでいく絵筆は、植物がじっくりと成長していくかのようである。
2019年 「創造のいろは」
(鳥取/米子市美術館 第3展示室)2020年 「テレスコープ」
(大阪/gallery&select shop 縁)2021年 「いきいきと解き放つ命の輝き アトリエコーナス|片山工房|たんぽぽの家の表現者たち」
(徳島/徳島県立近代美術館) -
佐々木 大空
2021年秋田公立美術大学卒業、2021年京都市立芸術大学大学院入学。音が出る/出せる装置や構造を制作し、音を発すること/音を聞くこととはどのようなことであるかについて改めて考えながら制作を行なっている。また、人間が行う演奏行為とその際に用いられる楽器、そしてそれらが奏でられる空間について研究している。
-
澤井 玲衣子
1977年生まれ 奈良県在住
1996年よりたんぽぽの家で活動をはじめる
2007年「エイブルアート・カンパニー登録」アーティストもの静かなたたずまいだが、実は好奇心旺盛な行動派。買い物、掃除に洗濯、料理にお稽古ごとと、生活は豊かにゆったりと流れる。その充実感からか、話しだすと止まらないこともある。こうと決めたら動かない芯の強さをもっていて、日常のシーンを題材に描かれる画面には、リズムのある線や色が静かに、強くたしかに走る。
2011年 「澤井玲衣子展」
(東京/A/A gallery)2018年 「背伸びするモメント」
(大阪/高島屋大阪店・ギャラリーNEXT)2020年 「Fellow Art Galler vol.41 澤井玲衣子展」
(神奈川/あざみ野 フェローアートギャラリー) -
澤村 華
2014年 京都造形芸術大学 芸術学部中退
2016年 京都市立芸術大学 美術学部入学
2020年 京都市立芸術大学 美術学部 版画専攻 卒業
2020年 株式会社 ザグザグ 入社 -
ぬかつくるとこ
「ぬか」は生活のケアを柱として、
アートを活用した自分らしい生活をおくることのできる福祉事 業所です。「ぬか」という一風変わった名前の由来は、 漬け物などを 漬けて発酵させる「ぬか床」 から来ています。正面から捉えるとひるんでしまうことも、 ちょっと角度を変えてみれば、だれも気付けなかった価値が 生まれたりする。そういった価値や個々の魅力が「ぬか漬」 のように時間を かけてゆっくりと発酵し、社会へと広が って行くことを願って付けました。 -
野儀 伊予
京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻在学。私にとって『制作』は、陶器という“割れやすい、重い“など時に扱いにくさもある特質 を持った素材と、生み出していくことへの責任感、手作りの意味などに、悩みながらも 心地よく触れていける時間です。「人の生活に関わるモノとは」・「人に近すぎずとも溶け込める境界に介入する陶器とは」を考え作ります。
-
はるぴ
京都市在住。小学6年生。
-
林夫妻(高野 いくの、林 佑紀)
2018年4月に結婚。夫·林佑紀は写真を撮り、妻·高野いくのは油絵を描く、フォトグラファーペインター夫婦。(写真:小檜山貴裕)
林佑紀
1984年生まれ、京都在住。2016.17年 「縁へ」
(京都/gallery main 京都)
(奈良/gallery CLASS)2021年 「像を待つ」
(京都/gallery main 京都)高野いくの
1986年生まれ、京都在住。2019年 「サイド オブ ミー」
(兵庫/Te To Te)2020年 「高野いくの 展」
(東京/Oギャラリー)2021年 「サニー・レニー」
(京都/そのうちcafe) -
前田 考美
1990年生まれ 奈良県在住
2009年よりたんぽぽの家で活動を始める微笑みがたえない彼女の毎日は友達と楽しくおしゃべりしたりお年寄りにお弁当を配ったりと、とても忙しい。また演劇や刺繍などさまざまなことに好奇心を抱いて挑戦するがんばりやさんである。楽しかったこと、雑誌のお気に入りの女の子、目にとまった動物など、ピンときたモチーフたちは、感じたままに形と色になり、画面いっぱいに溢れ出す。
2018年 「MAEDA」
(東京/段々色ギャラリー)2020年 「ゆるやかにひろがる」前田考美古典
(大阪/Books Gallery Coffee iTohen) -
水田 篤紀
ひとつ一つの作品に丁寧に向き合い、絵画制作や身体表現にて自身の表現を深めている。2017年にはshing02(ヒップホップMC)と倉智敬子+高橋悟(美術家)とともにパフォーマンス作品を制作など、様々な方法で表現の可能性を探究している。
-
森川 桜帆
京都市立芸術大学工芸科一回生。
-
安枝 知美
2011 Glasgow School of Art 交換留学
2013 京都精華大学 美術学部 洋画コース 卒業
2015 京都市立芸術大学大学院 美術研究科修士課程 絵画専攻油画 修了人の表情を描き、日常で抱いた不安や悲しみといった負の感情を視覚化する。
負の感情とは、他者との会話、表情、仕草から生じた小さなずれによって抱く、少しずつ消耗されていくような不安な感覚である。
表情は、目、鼻、口、首を顔の肉付きに対して、少しずらしながら配置し顔を歪ませる。この時に過剰なイメージ(イラストレーションのような図)を持たずに描くことを意識し、顔の前後関係を作っている。
最近の制作では、手のポーズや背景、花などのモチーフを取り入れた。人ともの、その後ろにある空間といった全体で、何か、違和感や悲しさを表現できないかと考えている。また、光の方向を考えることで、現実と人の空間を意識し日常に近づけるよう制作している。
2020年 「人と物と風景」
(大阪/GAMOYON Gallery)2021年 「Drawing in my room」
(大阪/GAMOYON Gallery)2021年 安枝知美個展
「揺れた席を見ている」
(大阪/GAMOYON Gallery) -
山口 俊也
-
山なすび
京都市在住。小学6年生。
-
渡辺 千明
1985年 京都府生まれ
2015年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科修士課程絵画専攻油画 修了旅先などで興味を惹かれたものをモチーフにして絵を描いている。それらの印象や雰囲気が出るまで、何枚も繰り返し油彩で表現することで、余分な意味が取り除かれた自然な画面になるよう目指している。自然とは、リアリズムを追求することではなく、色や形や場所が組み合わさって生まれる緩やかな状況そのものだ。それを絵として記録し、かたちに残したい。
2020年 「人と物と風景」
(大阪/GAMOYON Hallery)2021年 「Slow Culture」
(京都/京都市立芸実大学ギャラリー@KCUA)2021年 「人口の森」
(京都/京都府立府民ホールALTIエントランスギャラリー)
アートラリーの様子
-
2021年度のアートラリー
鮎川奈央子×永×山口俊也
今回の最年少参加者の小学3年生のいるトリオ。小学生と怪獣と鮎川さんという組み合わせの、なんとも奇妙な言葉と仮面のアートラリーが繰り広げられた。OPEN KITCHENに最多参加記録の鮎川さんが、引っ張っていくのかと思いきやまさかの展開に目が離せないアートラリーだった。
-
2021年度のアートラリー
植田梨沙子×はるぴ×前田考美
(公募参加者:小学生の女の子はるぴさんと前田さんと植田さんのトリオ。植田さんは、)
小学6年生の女の子のはるぴさんと前田さんと植田さんトリオ。植田さんは、会社員として働きながらアートラリーに参加。前田さんの素敵な植物の絵から発展して、優しい色合いのたくさんの小物をそれぞれが制作するというスタイルでラリーが進んでいった。穏やかで柔らかな空気感が伝わってくるようなアートラリーだった。
-
2021年度のアートラリー
佐々木大空×水田篤紀×山なすび
小学6年生の山なすびさんと水田さんと佐々木さんのトリオ。佐々木さんは、彫刻専攻の大学院生。水田さんの作ったペットボトルをカラフルな養生テープで固定した船からラリーがスタートした。このトリオは趣味嗜好が似ており、何か同じ目標がありそれに向かってラリーが進んでいったかのようにも見えるものだった。
-
2021年度のアートラリー
澤村華×長田恵×渡辺千明
前年度のOPEN KITCHENでの公募参加者の渡辺さんと長田さんと澤村さんのトリオ。澤村さんは県外からの参加者。このトリオは、直接他のメンバーの作ったものに手を加えないという方法でラリーが進んでいった。それは誰かがそうしましょうと言ったわけではなく、参加メンバーがそれぞれに考えていたことが一致していたようだった。
-
2021年度のアートラリー
野儀伊予×澤井玲衣子×林夫妻
前年度のOPEN KITCHENでの公募参加者の林夫妻(高野いくのさんと林佑紀さんのユニット)と澤井さんと野儀さんのトリオ。野儀さんは、陶磁器専攻の学部生。このトリオは実質4人でのアートラリーとなった。澤井さんの描いた絵が、他の参加者の感性と得意なこと(高野さんは絵と料理、林さんは写真。野儀さんは、陶磁器。)によって様々なものへ変身していく様子が印象的なアートラリー。
-
2021年度のアートラリー
森川桜帆×ぬかつくるとこ×安枝知美
たんぽぽの家以外の福祉施設で初めての参加となったぬかつくるとこさんと安枝さんと森川さんトリオ。安枝さんは昨年度のOPEN KITCHENで公募参加者で、森川さんは工芸科の学部1回生。OPEN KITCHEN至上最大の郵送物で、今までにないかなりパワフルなアートラリーが繰り広げられた。ぬかつくるとこさんのパワフルさに安枝さんと森川さんも引けを取らない賑やかなアートラリー。