2020年度のアートラリー
障害者福祉施設「たんぽぽの家」のアーティストと京都市⽴芸術⼤学出⾝のアーティストが作品を送りあい、「アートラリー」を通じてコミュニケーションを模索しながら、ペアで⼀つの作品を制作するプロジェクトです。まずたんぽぽの家と京芸のアーティストがアートラリーをスタートし、さらに10⽉末に京都市内在住者を対象に公募する⼀般参加者もラリーに参加します。⼀連のプロジェクトのプロセスや最終的な成果物は、全てOPEN KITCHENの公式インスタグラムで公開しました。
2020年度の相関図
2020年度参加者紹介
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鮎川 奈央子
自らの体験のなかで面白かったり、なんか気になったり、グッときたタイミング、その状況、存在をモチーフにし、それらを記憶から形に変換することを表現としている。
2020年 OBJECT
(ANTEROOM KYOTO)2020年 ななラボ 七輪陶芸研究所
(VOUの屋上)2020年 渋谷パルコ陶器売り場
(OIL by美術手帖) -
岡本 雄介
「ダメな部分をもつ自分を受け止めてくれるのは、芸術の世界だけ・・・」−そんな彼から生み出される表現は、繊細で生々しい。
主な展覧会に、「エイブルアート展 ストーリーズ」(岐阜/可児市創造文化センター)など。 -
加納 明香
絵から画面の外まで、ひいては見ている人の周囲や背後までもまわりこむことができるような空間の広がりを持つ絵、「サラウンド感」と作者が呼ぶ感覚のある絵を目指し制作している。その感覚とは外で、ある風景と出会ったときの全方向的な空間に対する感覚だ。それを実現できれば絵でありながら、風景を見る時と同じようなその時の体験に迫るものができるはずだと考え、線や色斑といった絵の要素を用い空間の見え方を試行している。
2019年 加納明香 展(Oギャラリーeyes/大阪) 2020年 ファン・デ・ナゴヤ美術展2020
「ここに在るということ」
(名古屋市民ギャラリー矢田/愛知)2021年 加納明香 展(Gallery Valeu/愛知) -
黒川 岳
物や環境と身体との関係に着目し、彫刻やパフォーマンス・音楽・映像などの作品を制作している。
2020年 「ニューミューテーション#3」
(京都芸術センター)
「奈良・町家の芸術祭HANARART2020」
(旧米谷家住宅)2021年 「甕々のための音楽会」
(アートラボあいち) -
小松 和子
自らをとりまく人々への感謝の想いを、色・形・模様で表現する。
主な展覧会に、2018年「Museum of Together」(東京/スパイラルガーデン)、2014年「花は咲きたい-小松和子・武田佳子二人展-」(大阪/高島屋大阪店・ギャラリーNEXT) など。 -
中森 碧
現在は、銅版画作品を主に制作している。ベルソー(仏)と呼ばれる銅版画に使用される道具を用い、線をひく事、その過程の中で描く対象物の実在について思考する事を継続している。
2019年 第44回全国大学版画展
(町田市立国際版画美術館/東京)2020年 第45回全国大学版画展
(町田市立国際版画美術館/東京)2021年 表象の縫い目
(+2art gallery/大阪) -
平井 和樹
”アニメを見ること”と”食べること”にふれる時間が至福のひととき。アニメの主題歌やセリフ、効果音を口ずさみながら描いていく。展覧会での出展の他、作品をテーマにしたワークショップなども行なっている。
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平田 万葉
主に作品の素材として土·石·砂などを使い、国内外のフィールドリサーチを 通して、彫刻・インスタレーションまたは、パフォーマンス・ドローイング・版画などの様々な形態で発表している。粘土という焼成すれば何千年、何億年と残りうる素材を 『時の痕跡を残す術』として捉え、リサーチの過程で収集された人の記憶や記録、それに関係する神話、神事、そこからつくられた道具や時間を粘土の造形や焼成による化学反応を用いて、表現していくことを試みている。
2020年 渋谷パルコ陶器売り場
(OIL GALLARY by 美術手帖/東京)2021年 物と視点( kumagusuku /京都) 2021年 滋賀県立陶芸の森 アーティスト インレジデンス2021(滋賀) -
松岡 美里
自宅や外出先でボールペンやオイルパステルを使用してスケッチを続ける。
時折それらを見ながら自身の筆致を整理するようにして大きな絵を制作する。
私にとってスケッチは社会・世界を把握し現状を理解するための手段であるが、場合によっては普段見えていないものを見えるようにしたり、誰かの存在の預かり先として機能することがあるかもしれないと考えている。2019年 ART POINT Selection Ⅶ
(GALLERY ART POINT)
SPIRAL INDEPENDENT CREATORS FESTIVAL 20(スパイラル)2021年 下京涉成小学校作品展
(京都市立下京涉成小学校) -
水田 篤紀
ひとつ一つの作品に丁寧に向き合い、絵画制作や身体表現にて自身の表現を深めている。2017年にはshing02(ヒップホップMC)と倉智敬子+高橋悟(美術家)とともにパフォーマンス作品を制作など、様々な方法で表現の可能性を探究している。
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味波 晴巳
アリから見た世界を表現している。「どこでもいるアリは何も考えずにささっと描けるし、どんな絵にも描きこめる」と言って、誰も踏まない、踏まれない、やさしい世界を描き出す。
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R
制作スタイルは一環して点描。流れるようにドットワークを打ち込んでいく。展覧会「モノが物語る意匠の文化史」にて舞踊家の佐久間新が仮面作品を被りダンスパフォーマンスを行うなど、コラボレーションも行なっている(音楽:やぶくみこ /撮影・編集:les contes)。
アートラリーの様子
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2020年度のアートラリー
加納明香×水田篤紀
(公募参加者:高野いくの)
水田へ渡った加納の初回の作品は、クリアファイルに入れられたたくさんのドローイングだった。水田はそれらをテープを用いて立体に、まるで本のように紡いでいった。立体の中には、水田から加納へ宛てられた質問が散りばめられており、一般参加者や水田、加納の質問と回答が文字で作品内に入り混じり、装飾されていった。普段作品をみるだけでは垣間見得ない、作家の気持ちにも触れられた。
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2020年度のアートラリー
鮎川 奈央子×平井 和樹
(公募参加者:荒井 尚緒)
2018年に続き2020年もペアを組んだ。2020年より始まったコロナ禍。平井から始まったラリーは、10本のからのペットボトルを探すところから始まり、コロナの収束に向けた「コロナ退治ボウリングセット」が送られた。鮎川のイラストが「退治するぞ!」という強い気持ちをユーモラスにして、和気あいあいと楽しめるゲームにパワーアップした。
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2020年度のアートラリー
黒川 岳×小松 和子
(公募参加者:安枝 知美)
黒川から送られてきたのは「9月18日(金)のゴージャスな草」のイラストと写真。それをみながら、小松はいつもの色鉛筆で動植物を書き下ろした。そんなドローイングが届いた一般参加者は、小松の絵をモチーフに大きな油彩の絵を生む。また、そのドローイングは黒川の手により凧に変身し、たくさん走り凧揚げをした写真とともに送られてきた。自分の絵が宙を舞う、そんな体験は初めてだっただろう。
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2020年度のアートラリー
中森 碧×岡本 雄介
(公募参加者:荒井 尚緒)
中森からの写真に対して、岡村がひたすら左足をはやしていくところからラリーがスタート。瞬発力のあるやりとりが特徴のペアで、短い期間の中、4回ラリーを行なった。そんな息のあったラリーによって、写真やイラストからストーリーが生まれる作品に発展した。
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2020年度のアートラリー
平田 万葉× R
(公募参加者:荒木 勇輝)
お面作りをルーチンとしているR。1つのお面を平田に送る。「お面をつける」ことで霊や精霊や動物等の神格が宿るとされている。平田、そして一般参加者の子どもたちは、自らまとい舞った。Rは、それがとっても嬉しかった。自然物(かんなくずや木の実、砂、石)から命を感じ、命を吹き込む。関わる誰かもそれをすんなり受け入れることができる、そんなことを教えてくれるペアだ。
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2020年度のアートラリー
松岡 美里×味波 晴巳
(公募参加者:永守 伸年)
松岡のやわらかいタッチの風景や人物がつめこまれた小さなノートに、そっと寄り添うように自分の好きなモチーフや色を添えていく味波。会ったことのない2人だが、自分を主張しながらもお互いを尊重しあうやさしいやりとりが行われた。