2018年度のアートラリー
たんぽぽの家のアーティストと京都市立芸術大学の学生が 6つのペアを組み、作品を取り交わすプロジェクトです。作品は箱の中に入って届けられ、つくり足すのも、つくり変えるのも、別の作品を返すのも自由です。こうしたやりとりは2016年夏より、現在まで続いており今年で3年目です。展覧会では、作品だけを提示するのではなく、コンテクストの記録を映像や写真、交換ノートなど様々なメディアと共に展示しました。
2018年度の相関図
2018年度参加者紹介
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青木 克考
女性セブン、吉野家の広告、毎日新聞、カタログ、etc……。それらをボックスに入れて様々な場所で気になる言葉や写真に印をつけている。
2019年 「創造のいろは」
(鳥取/米子市美術館) -
鮎川 奈央子
自らの体験のなかで面白かったり、なんか気になったり、グッときたタイミング、その状況、存在をモチーフにし、それらを記憶から形に変換することを表現としている。
2020年 「OBJECT」
(京都/ANTEROOM KYOTO)2020年 「ななラボ 七輪陶芸研究所」
(京都/VOU 屋上)2020年 「渋谷パルコ陶器売り場」
(東京/OIL by 美術手帖) -
平井 和樹
1990年生まれ 奈良県在住
2009年よりたんぽぽの家で活動を始める”アニメを見ること”と”食べること”にふれる時間が至福のひととき。毎朝欠かさない昼食メニューのチェックが済むと、アニメの主題歌やセリフ、効果音を口ずさみながら描きすすめていく。時々、替え歌を交えつつ制作していると、大好きなキャラクター同士がいつしか合体、ユニークなイラストとなって登場する。
2012年 画楽プロジェクトVOL.3
「アートと暮らし」
(高知/高知文化プラザかるぽーと)2016年 「あいサポート・アートとっとり祭」
(鳥取/とりぎん文化会館)2017年 奈良県障害者芸術祭
HAPPY SPOT NARA 2016-2017
「Play art!アートとゲーム」
(奈良/奈良県文化会館 展示室) -
平田 万葉
主に作品の素材として土·石·砂などを使い、国内外のフィールドリサーチを 通して、彫刻・インスタレーションまたは、パフォーマンス・ドローイング・版画などの様々な形態で発表している。粘土という焼成すれば何千年、何億年と残りうる素材を 『時の痕跡を残す術』として捉え、リサーチの過程で収集された人の記憶や記録、それに関係する神話、神事、そこからつくられた道具や時間を粘土の造形や焼成による化学反応を用いて、表現していくことを試みている。
2020年 「渋谷パルコ陶器売り場 」
(東京/OIL GALLARY by 美術手帖)2021年 「物と視点」
(京都/umagusuku)2021年 「滋賀県立陶芸の森
アーティスト イン レジデンス2021」(滋賀) -
福島 周平
1997年大阪府出身
2021年京都市立芸術大学彫刻専攻卒業
現在、東京藝術大学大学院 先端芸術専攻修士課程在籍中写真と彫刻、そしてそれらを感覚する身体の関係性を、それぞれが含む時間の方向性に注目しながら研究している。
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舟木 花
自由な発想と豊かな感性で、様々な素材を使いながら不思議な「アイテム」を作り出している。
2016年 「であう、つたえるをかんがえる」
(京都/京都アートホステル クマグスク) -
水野 篤紀
ひとつ一つの作品に丁寧に向き合い、絵画制作や身体表現にて自身の表現を深めている。2017年にはshing02(ヒップホップMC)と倉智敬子+高橋悟(美術家)とともにパフォーマンス作品を制作など、様々な方法で表現の可能性を探究している。
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毛利 愛実子
1993年大阪府生まれ。
京都市立芸術大学大学院陶磁器専攻を修了後、鳥取県に移住し生活と制作をおこなっています。
今は種を蒔くと食べ物ができて、また種を作ってまた蒔くということがとてもおもしろくて夢中です。自分の分かるところで自分に出来るものを作ることが好きです。
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Y
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山口 真琴
京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業
単純なパーツのくりかえしの中から構築されていく形の美しさに心惹かれ、制作と展示をくりかえす中でそれにどれだけの美しさが見出だすことができるのか、楽しみながら創作活動をしています。
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山村 晃弘
1988年生まれ 奈良県在住
2006年よりたんぽぽの家で活動を始める。踊ること、歌うこと、話をすることが好き。明るく、快活な性格が、人に喜びをあたえている。食べ物、動物、遊具など、身近なモチーフが「おもしろいもの」として、ひとつぶずつ描かれていく。楽しいリズムで線や色が足されて、画面いっぱいの世界ができていく。
2012年 「Inspiration 山村晃弘展」
(大阪/ギャラリーりてら)2018年 「YAMAMURA」
(東京/段々色ギャラリー)2020年 「山村晃弘 個展」
(東京/松坂屋上野店本館7階 上野が、すき。ギャラリー) -
R
制作スタイルは一環して点描。流れるようにドットワークを打ち込んでいく。展覧会「モノが物語る意匠の文化史」にて舞踊家の佐久間新が仮面作品を被りダンスパフォーマンスを行うなど、コラボレーションも行なっている(音楽:やぶくみこ /撮影・編集:les contes)。
アートラリーの様子
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2018年度のアートラリー
鮎川奈央子×平井和樹
この年のOPEN KITCHENで最もラリーを行った2人。作品には決まって手紙が同封されているのも特徴で、「平井さんへ:私は桃太郎の犬・サル・きじを組み合わせたチュワンザルです。」「あゆかわさんへ:恐竜ととらをゆうごうさせたタイガーザウルスです。」など、楽しげなコミュニケーションがラリーを介して行われた。
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2018年度のアートラリー
平田万葉×R
「2人のかっこいいと思う方向性が一緒」− 展覧会のギャラリートークで平田が言ったその言葉の通り、それぞれのアトリエで打ち合わせなく作ったとは思えないほど、感性が噛み合った2人の作品。全力のかっこいいを互いに交感し合ったアートラリーだった。
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2018年度のアートラリー
福島周平×水田篤紀
福島がドローイングを描いたスケッチブックからスタートしたアートラリー。展覧会では1年間のやりとりの成果として、2人でライブペインティングを開催。出来上がった作品に対して水田は「福島さんが何を考えて描いているかわからなかったのが、良い意味で自分にも作用し、面白い作品になった」と語った。
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2018年度のアートラリー
毛利愛実子×青木克考
毛利から送られてきた陶器の一輪挿しからラリーがスタート。しかし、青木が手を加えたのは一輪挿しではなく、梱包材の段ボールに貼ってあった宛名書き。そんな予測不可能な制作から始まった2人の共同だったが、回を追うごとにリズムが揃っていき、展覧会では2人で公開制作も行った。
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2018年度のアートラリー
Y×山村晃弘
Yからはじまったアートラリーで、Yが作った陶器の湯呑みと制作ノートに返したのは、50号の絵画作品。自身のスタンスを崩すことなくハイペースでラリーを返す山村と、そこに何か仕掛けようとするYとのやりとりが印象的なラリーだった。
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2018年度のアートラリー
山口真琴×舟木花
この2人のラリーは、「互いのブームとブームを交換しあっている感じ」とインタビューで山口が答えたように、自分の“好き”をただただ相手に伝え合っていた。それが2人の性に合っていたようで、まるで作品を通してプレゼント交換を行なっているような、そんなアートラリーだった。