OPEN KITCHEN オープンキッチン

ペアのインタビュー

毛利さんインタビュー

ー毛利さんの相手は誰ですか?

青木さんです。

ー青木さんはどういう人ですか?

どんな人……青木さんは、……なんかあんまりコミュニケーションが取れないんですけど、スタッフの人の話曰く……年とともに、自閉かな?なんかそういう系のなんかと、あと幻覚幻聴がどんどん加速してるらしくって……それで私が行った時も、全然コミュニケーションは取れなかったです。けど、なんかなんて言ったらいいんやろ……可愛らしくって……ずっとあっちでは(たんぽぽの家)、雑誌とかチラシとかにサインペンでなぞらはるんですけど、輪郭線とか文字をなぞって。なんかそれをずっとやってはって、たまにめっちゃ笑ったり、多分何かが見えてはるんかなと思う。たまにめっちゃ笑ったり、なんかよくわからんこと喋ったりしてはるんですけど、でもなんか笑ってる顔はめっちゃチャーミングで……でもなんかその5秒後にはめっちゃ怒ったりもしてはるんですかど……ていう人。全然なんか詳しいことは知らないんですけど、でもなんか高校ぐらいまで普通の高校に通ってたぐらいらしくって、だから文字も全部読めて新聞も全部なんか読みながらなぞったりしてる時もあるし、全然違うことを言いながらなぞってる時もあったんですけど、だからなんか見てたらめっちゃ面白くて。この間たんぽぽ行った時は、うちはずっと青木さんを観察してて、でなんか言わはったことをメモったりスケッチしたりしてました。

ーコミュニケーションの取ろうとして、毛利さんはそういう観察してスケッチしたりメモったりという方法取ったんですか?

うん。なんかめっちゃ単語をポンポンと言わはったりしていくから、「何なんやろ?」と思って、私はなんか「喋られてんのかなぁ。」って思ってたんですけど、「なんか伝えたいんかなぁ」って感じてたんですけど。スタッフの人にそういう話聞いたり、あと幻聴幻覚があることとか教えてもらってからは、「何が見えてんのやろう」とか想像するのがすごい楽しくなって。だから、コミュニケーションをとってる……取れてるとは全然思わへんし……なんですけど、こっちが一方的に想像……想像?なんて言ったらいいんやろ?何考えてるかとか何が見えてるかとか何もわからないんで、でも、なんか笑ったりめっちゃ怒ったりしてるのが、すごい不思議で……それを考えてたら面白い。

ー作品ラリーでの作品を通してのコミュニケーションというのはどういう方法で進んでいますか?

え~、会話の方法?

ーラリーの方法?

ラリーの方法……紙媒体のもの、字とか絵が描いてあったら青木さんがなぞってくれるんですよ。なんかでもスタッフの人が出してくれてはるんやと思うんですけど。私が前冊子を、ちっちゃいやつを描いて送ったんですよ、それと陶器送ったんですけど、陶器はノータッチで返って来て。最初は青木さんがペンいれてくれてたりして、なんかそれが……多分あっちはなんも考えてはらへん……なんて言ったらいいか、なんかいつも描いてるように描いてると思うんですけど、なんかそれがめっちゃ嬉しくて……全然それもなんていうかコミュニケーションを取れてるっていうこともないけど、なんか……こう、「見てくれたんかなぁ」みたいな。わからないです。本当のことは。まぁでも嬉しかって、すごい。なので、作品は私が描いた何かを向こうに提供したりして、それになんか描いてくれたらいいし、プラスその青木さんが送ってくれて来てたやつが、多分いつも描いてる雑誌数点、チラシ何枚か送ってくれはったんで、そういうのいっぱい集めて、最終作品?大きいの作りたいなと思ってるんですけど、どうしよって思ってます。

ーこの作品ラリーの記録方法は?

青木さんと一緒にいた時にとってたメモとスケッチ。

ー今見せてもらえますか?

わかりました。取って来ますね。

(数分後)

あ。すみません、昨日家帰ろうとしてたんですけど、帰れなくて置いてきちゃいました。(家に)

ー記録方法としては?メモとスケッチと……

あと、記録方法って言ったらどうなんやろって感じなんですけど、この間来てもらった時に、青木さんが作った土をドベーってべちゃべちゃにしたやつを出したら、ちょっとだけなんか触ってはって、それは置いてます。で、その時も青木さんを見ながら私も作って、それもなんか横顔のスケッチ……なんて言ったらいいんやろ。土でその場で見ながら作ったやつがあります。

ー青木さんを作ったんですか?

青木さんの顔とあと肘?手?を作りました。

ー二人とも楽しそうにしていましたね。

めっちゃ楽しかったです。

ー毛利さんにとってやっぱりたんぽぽのメンバーさんの作っている作品や、たんぽぽのメンバーさんたちが作品を作ってる環境とかは、自分に近しいと思うんですか?

いや……全然。結構無心というか……永遠にというか……永遠にやってはる。衝動みたいな。だってなんもやらんでいいっちゃやらんでいいのに、衝動みたいな。すごい!と思って。うちはすぐ飽きちゃうし、作ら

な死ぬっていうのもないし……

ーでは、どっちかといえば尊敬というか……

そう。めっちゃ思います。

ー最後展示する時に、二人でラリーしててもいいわけだけど、他の人に見せるわけですけど、相手とか自分とかみんなひっくるめて何を見せたいとかありますか?これを見せたい。あるいは、誰に見せたい。

えー。正直あんまりそこは考えてないです。自分が青木さんとそういう風にして(ラリーをして)何を得るんかなというのが気になって。

ー郵便のやりとりで青木さんらしい何かってありましたか?

伝票?なんか伝票も記録として残して置いてって言ってたじゃないですか。伝票にも青木さんが書いてくれてて。縁取っったり。それが面白いと思って。

ーそういう印刷物に描き加えるっていうのが青木さんのスタイルですよね。

うん!本当に。すごいな~……

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