OPEN KITCHEN オープンキッチン

ペアのインタビュー

平田さんインタビュー

ー萩原さんはどういう人ですか?

すごくチャーミングな人で、年齢は私よりも上で小柄な人なんだけど、男の人で。
なんだけどなんていうか……すごいまずね剣道が好きでね、いつも「剣道やっとんねん。」って独特な喋り方で、「喧嘩はな、剣道はな、……」っていつも喋り出す独特な人なんだけど、作品がね、とにかく私好きで。ここに置いてあるんだけど、張り子みたいな作品で、こう……色彩がさきつくって、私きついのが好きだから。紙をさのりとかで付けると強度が増すでしょ、紙だから動きも出るわけ。萩さんの手の跡が、思いの丈とは違う、やっていたらついた。普通の人やったらさ、顔のお面を作る時って左右対称にするやんか。考えながらやってるのか思いつきでやってんのか、色も多分思いつきでやってるんやろうけど、いつも喋る時も作品作る時も、結構突拍子もないみたいな。私はどちらかというと考えて動くタイプだから、逆の羨ましいタイプである。だけど、無い物ねだりの人間を選んだわけだよね、私は。
色はね、作品は私も派手目の方だから、そういう意味では色彩面で似てるところがあるから、「あ!いけるかもしれない!」というのと、また萩さんの性格がフランクで、なんていうかね……「一緒にご飯食べよ〜。」みたいなね、「うん。一緒に食べよっか。」っていう感じだから、友達みたいな感じ。っていう人だったから、萩さんを想像しながら設計図みたいなものをほぼ描かずに作った。

ーいつも描かれてるんですか?

いつも大体作品作る時にコンセプトとテーマを8割ぐらい練る。色と寸法も決める。私がこんなに大きいの作ってても、1割か2割で作っている。決まったら早いやん。私は特別手が早いから、だからしっかり考えたら手をパッと動かす。だからそこは順序を自分できちっと決めてる。だけど順序絶対決めてないから。こっちのね、萩さんは。っていうのが、私は順序決めないとできないところがあるなーっていうのがあった時に、本当はその計算がいるのかどうかっていうのに悩んでいた時期でもあったから、一番羨ましいと思っているのはね、突拍子もなく作品を作ったりとか、コンセプトとかテーマの前に手が動いたからできました!みたいなタイプが私とは違うタイプだから。本当はすごく羨ましくて、たんぽぽに最初は遊びに行ってただけだったんだけど。永守さんが来ない?って誘ってくれたからじゃあ行こうかなー。って。行ったらいつのまにか、参加するみたいになって、で、参加しようと思ったのがすごく多分自分にないものを、あの人たち萩さん含めて持ってて。京芸の子も私を含めて、たんぽぽに行ったら悩んでることがなんかもうバカらしくなるじゃないけど、作りたくってやりたくって日常の延長にあるような感じで制作してるやん。作らなくちゃやらなきゃっていう使命感だったりとか、やりたくないけどあの人に言われたから締め切りがあるからっていうのないやんか。本当はそれがしたいんだけど、できないから羨ましいなってすごい思って……とにかく羨ましい。羨ましすぎる性格を持っている萩さんが好きで組んだ。

ー会話でのコミュニケーションは例えばどのような感じでしたか?

萩さんは結構、他の人もそうなんだけど、やっぱり一日の波があるやんか。比較的たんぽぽの人たちの中からするとちゃんとコミュニケーションが取れる方だと思う。言ってることに対して答えが返ってくる。この前とか「私の作品どう?」って聞いたら、「今やってんねん。紙全部貼るねん。」って言ってて。そのそういう受け答えができる。作品についてすごく深い会話。コンセプトみたいなところの会話っていうのは、今回私も考えてないし、「どう?うまくいってる?」とかのコミュニケーションが取れてる状態。あと私からすると、さっき言ったみたいに萩さんが作ってる作品から読み取れる唐突で突拍子もなくパーンってつくられた感じとか、色とかも、ここには普通の人だった黄色置いて……青置いて……いやいや!ここは青かな……って考えるのが、多分あんまり考えて置いてない、あちこちにアンバランスで手の跡がついてるっていうので向こうはそんなん感じなんだろうなっていう感じで。コミュニケーションを、そういう意味で作品を通して取りにいこうとしてる。だから、あっちがお面なら私もお面でいこうと思って。だから萩さんが手の跡ととかパーンとつけられるような空間を作品の中に残しとこうと思って、だけど私も負けてられないから、自分の分野の陶磁器を焼かないで粘土でちゃんと張り付くように工夫してあそこに付けた。あれだと上から紙貼ってもなんとなく下に粘土が貼ってあるのがわかるから。っていうので、会話しよう。でも、ちょっと喧嘩しようかな。だから、一応ね言葉でも少し通じるし向こうが私のことをどう思っているかはわかんないけど、名前も覚えてもらってるし、顔も覚えてくれているから、作品と顔を見て、そういうのでやれたら今回はいいかな。

ー京芸にたんぽぽのメンバーさんがいらっしゃった時はどのように過ごされましたか?

私は、「萩さん何したい?したいことしよう。」って声かけて、あの時萩さん散歩してたんだよねだから散歩してるのを後ろからついて行ってたりしてた。中央棟のところで変なものを見つけて、覗いてたりしてた。それをテクテク歩いてついて行って、最終的に陶磁器棟に戻ってきて粘土遊びしてる鮎川さんたちのところに合流したんだけど、あの日は萩さん座ったり歩いたりとかね、モニャモニャしてることが多かった。なんか作るってい言ったら画材を私の中でたくさん考えて用意しておいたんだけど、したいことをしてもらおうかなと思ったら、散歩って感じだった。散歩でもいいんじゃないかな。って、お日さんもすごく照ってるし、今日は散歩しよっか!みたいな。

ーいろんな用意はしたけれど……

そうそう。そんなことってあるもんね。色々やったけど、そんなに用意しなくても良かったんだって。まずは、かしこまって色々準備したけど、なんか色々自分の好きなようにしてもらって、環境とか私とか今からやっていくこととかに、馴染んでもらう方がいいかなと思って。無理やり何かワークショップみたいなことをしなくていいかなとも思ったよね。逆に私が前たんぽぽに行った時に、萩さんと隣同士で鬼の鈴のやつ陶芸室にあったでしょ。私はあれをひたすら楽しんで塗ってたんだけど。

ー萩原さんも一緒にやってたんですね。
 あれって結構きっちり塗られてるじゃないですか。ああいう塗り方も萩原さんできるんですね。

できるできる。他の方に比べると萩さん結構きっちりしてるから、逆に「そこ。もうちょっと跡ついとんで。」みたいな。他の子がべたっと塗ってる感じだけど、萩さんは「丁寧にやらなあかんで。」みたいな。アシスタントみたいな感じ。あそこの陶磁器棟の。ちゃんと自分のポジションをこなしてましたよ。

ー1回萩さんから来て、万葉さんが送り返してっていう状態ですか?

うん。今待ってる。けどもう1回送ろうかなとか思ってたり。それもありかなって。

ー送るとしたらどんなものですか?

粘土って言ったらここにいっぱいサンプルがあるから、これで何かを作るとは思う。私の中で1個外さない状態で、私の場合はこれに泥塗ったから、それでお面っていうものが来たから、どこかに共通のものを置いた状態でラリーしていこうかなっていうものがあったから。お面って面白くて工芸とちょっと似ていて、使える飾れるやんか。そういうところでも似ているところがあるし、お面って祭事というか祭り事で使われることとかもあるから。アフリカとかでお面のところって泥を顔に塗る文化のところもあるやん。だけん、そういうところもミックスしようと思って、今度送るときも泥使うやろうなーとは思ってる。……泥団子いれとこっかな。泥じゃなくても、焼成しても何か粘土の素材感を感じるものがいいな……砂とか。砂みたいな作品。焼いてるけど砂みたいな、素材を感じる何かを送りつけようかな。向こうにも何か想像してもらったりとか、こうあんまりさ作品完成!って感じのを送ると……私が逆にそういうの送られて来たらね手のつけようがないんだよね。多分萩さんはこれで喧嘩売ったんねんって感じで来てると思うけど、私それにベチョって泥塗っちゃったからね。多分そんなのが来ても大丈夫だと思うんだけどね、いろんなことを思わせるね、ちょっと抜きどころのある作品の方がやっぱり見やすいね。やっぱり完璧な作品が来たら、胸がこう痛くなる。ちょっとぐらいなんかこう……テヘッていう。なんだろう……今回は作品作るのに馬鹿になろうって思ってるんだよなー。

ーこれはどこまでが萩さんがやって、どこからが万葉さんがやったんですか?

萩さんね、お面とそのアクリル絵の具で塗ったところまでなんだよ。そこから上の泥を塗ってるのと、そこらへんから萩まくって来た木の皮をつけたのが私なんだよ。最初これくらいのサイズでプチプチに巻かれてやって来たんだけど、すごく大きい作品作るって言ってたけど、本当に180センチくらいの作品になっちゃった。展示するときも壁から引っ張ってこう吊るすから。

ー天井からじゃなくて、壁から?

うん。壁からこれを伸ばして、少し斜めの展示台作ると思う。こういうタイプの。

ーじゃあ、お面がいっぱい並ぶみたいな展示になりそうですか?

そうだね。それでもいいかなと思って。顔がいっぱいあるって。なんかコミュニケーションしてるから、お面がコミュニケーションしたらいいかな。

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